懐かしネットワークカメラ:Panasonic BL-C31

 Panasonic BL-C31は2005年にパナソニックから発売された、Wifi(IEEE802.11b/g)有線LAN、32万画素(640×480ドット)対応の家庭向けネットワークカメラです。
 業務向けKXシリーズは高性能ですが高額で家電量販店では売り難く、コストダウンとサイズダウンを両立させたのがBLシリーズで当時はパナホーム扱いではなく携帯電話と同じパナソニックコミュニケーションでした。
 当時として画期的なコンセプトだった半球のPT回転カメラで上下50°左右100°とカメラの視野角を足せば前方を死角なく見る事ができます。
 業務用では別売となっていた人感センサーを搭載し撮影したくない時はレンズを格納する「かくレンズ」ボタンなど便利なアイデアと「見えますねっと」と契約しないでも使える汎用DDNSを設定できるなど家庭で簡単で安く運用できる仕様になっていました。
 複雑なPT機構を搭載する割に前方しか見る事ができない訳ですから、現在でこの形式を採用していたカメラはありません(Xiaomi Dafangは土台が355度回転する)技術的に全周のPTZ式カメラを低価格で作る事もできたと思いますがKX-HCM180を始め業務向けKXシリーズと競合しない様に見た目から機能を削りたい思惑もあったのでしょう。

 PT機構を別にすれば、筐体デザインは墓標っぽく地味ですがコンパクトに纏まっており、カメラ用1/4インチネジが下面と後面、ネジフックでも取付でき配慮は行き届いていました。
 最大32万画素は当時としては高画質でブラウザとiモード携帯電話で再生できました、BL-C31はパナソニックネットワークカメラとしては数少ないWifiを搭載した機種で利便性も良く38,640円 とそこそこの値段でした、1万円安く買える有線のBL-C30よりBL-C31の方が多く売れたそうです。

 この当時のカメラとしては標準的なピンホールレンズ?と見間違う程の小口径レンズです、昼間は問題なく一応デジタルズームも可能でしたが夜間撮影はKX-HCM180と同じくフレーム低下で光量を稼ぐ方式なので動く物はブレて輪郭程度しか認識できず夜間はほぼ使えないカメラでした。

 デザインアイコンにも成り得たかもしれない特徴的なシルエットで発展の余地があるカメラと思います、ただしパナソニックにそのつもりは毛頭なく生産部門ごとあっさり捨てる事になりましたので、この半球PT式カメラは買い取った企業が後継機種を作らない限り二度と見る事は無いでしょう。

oosaka-bouhan

防犯ツールのインプレと販売をしています。 得意分野はネットワーク防犯カメラなのでカメラ多めです。

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