懐かしネットワークカメラ:WowWee社 ロボットウェブカメラ Rovio
「今でも使えるか調べて?」との事でWowWee社の ロボットウェブカメラ Rovio を預かりました。
Rovioとは、2008年に香港WowWee社が発売したパソコンのブラウザーかスマホで操作するロボットカメラです、床掃除のルンバと同様にバッテリーが消耗すると自動でベースステーションに自動帰還して充電するインテリジェントロボットトイです。
開発コンセプトは「遠隔制御ロボットWebカメラプラットフォーム」だったらしく、ネットワークカメラと同様にWEBサーバーを内部しRTSPで映像ストリームを配信してインターネットを経由してスマホアプリやブラウザーで操作できる様になっています、ただし専用P2Pサーバーなんて物は無いのでユーザーがDDNS設定を行う必要があります。
旧式なのは当然ですが、床を走り回るネットワークカメラが11年前に発売されていたいたとは驚きです。
定価299ドルと豪気な価格で発売されガジェット大好きなギーク達は購入しましたが、売り上げは伸びず徐々にディスカウントされ最後はWalmartで100ドル以下で投げ売りされたそうです、ルンバの様な家事代行機能があれば多少高くても「家族を納得させる(特に奥様を)」事もできたのだと思いますが、当時299ドル出せばPTZ機能のあるミドルクラスのネットワークカメラを購入出来ましたから商業的に失敗しWowWee社からRovioのコンセプトを継ぐ後継機種は二度と発売する事はありませんでした。
時期的に床を走る回るのではなくプロペラで空へ飛ばしていたら ”DJI” とシェアを競い合う会社になっていたかも知れません「ニーズとコンセプト」は大切ですね。
Rovioの設計は本格的で、軸方向を選ばない3輪のオムニホイールでその場回転する事ができ見たい方向へ素早く移動させる事が可能です、地上高が低すぎる点はカメラをネックアームに設置する事で前方上方に視界を移動する事ができます、小さな警備ロボットとして使えるアイデアを色々詰め込んだ優れた設計だと思います。
ラジコンカーを流用して安直に製品化しなかった事には感心しましたが、その場回転させるなら履帯でもよく走破性も高でしょうし元から地上高を高くしておけばネックアームは不要ですから、映画『WALL・E/ウォーリー』のウォーリーの様な座った形状でも良かった気がしないでもありません。
撮影能力は時代的に仕方ないのかも知れませんが、一昔前の640×480 解像度CMOSと米粒程度の小さいレンズを採用したカメラモジュールでSQ13と同じ構成でIRカットフィルタなどありませんから集光性が極めて悪く薄暗い場所に頭を突っ込めば画面が真っ暗になります、一応白LEDライトを1灯搭載していますが設置位置が車軸前なので点灯しても効果は薄く首上げ姿勢では意味がありません、視野角も狭く50度程度しかありませんから映像を見ながらの操作は高度な見越し運転技術と強靭な忍耐力が必要とされます。
ネックアームやオムニホイールなどボディ筐体は機構的に良く考えられ出来も悪くないのですが、肝心のカメラ性能が低すぎて防犯目的へは「絶望的に使えません」このデザインだと真っ先に思いつく倉庫警備ロボットには「絶対的に使えません」侵入者を驚かす事は出来るでしょうが撮影位置が低すぎて足しか撮影できず蹴飛ばされて終わりでしょう、何とか使える用途はペットを追い掛け回して運動不足を解消する程度でしょうか。
もう少しマシなカメラを搭載していたら、移動撮影カメラとして冬季休館中の無人宿泊施設の見回りや内装工事待ち物件の撮影用など防犯用途以外に使えたのかも知れませんがカメラ性能が低すぎてそれらに使う事も出来ません、定価299ドルなら当時でも720Pの防犯カメラ用CMOSモジュールを搭載できたと思いますが「遠隔制御ロボットWebカメラプラットフォーム」の「遠隔制御ロボット」部分に注力して後半の「Webカメラプラットフォーム」を適当にしてしまったのが残念でなりません。
Rovio は既に販売が終了しており入手できませんが、ほぼ同じコンセプトで720P解像度の RB-RILEYロボットカメラがサンワサプライから発売されています….
が既に廃番(2年で…)で在庫限りです、他に恵安株式会社でRB01-Wも発売されていましたが同じく廃番なので、何となく売れそうな気にさせますが実際には売れない商品なのでしょう。