屋外カメラどのように設置したら良いですか?の方へ。

 ネットワークカメラを購入して初期設定は終わったけれど、いざ設置となると「面倒」「工具が無い」「必要な物が判らない」と言う方も少なくないかと思います、本記事は当店が設置工事を行ったお宅を事例に 屋外カメラの機材と簡単な設置方法 を記事にします。
 屋内カメラについては マグネット台座 を提供して出来るだけ簡単に設置出来る様にさせて頂いているつもりですが、屋外カメラについては他の販売店と同じくユーザー様に丸投げしている状態です。
 地方により家屋の建材に違いがあり設置する環境も様々で条件は異なりますから「カメラ以外に必要な物」「どんな工具」「どの位時間」が必要かを目算するDIYスキルが必要となり、趣味が日曜大工と言う方なら楽勝ですが「トンカチなんか高校の図工以来触った事が無い」なんて人が女性だけでなく男性にも増えているそうで、予備知識なくホームセンターに駆け込んでも余分で無駄な物を買う事になってしまいます。

◆事例1
 当然の事ですが、防犯カメラを購入される方は防犯意識が高い方が多く新築時や改築の際にセンサーライトやダミーカメラを設置されており、これら場所が防犯のウィークポイントだと認識されておられるので、殆どの場合「この場所に防犯カメラを設置して欲しい」とご依頼なさいます。
 設置する側としては、実働するセンサーライトがある場合は「電源が確保できる場所」ですから、作業量も必要資材も少なくて済みとても助かります。
 以上の条件で行う作業概要は。
1.センサーライトとダミーカメラの取り外し
2.防水ボックス取付
3.センサーライトの電源を2分岐
4.一方をコンセントへ変換
5.一方センサーライトへ再配線
6.防犯カメラを設置
7.センサーライトを再設置
8.完了
 となります。

◆センサーライト再設置・防犯カメラ設置作業手順
 設置場所の条件と外壁材を確認します、左画像の場合は「屋根が無く直接風雨に晒される場所である事」「外壁材が窯業系のサイディングで凸凹している事」が認識できます。
 センサーライトは電源ケーブルが外に出ていない壁面取付タイプなのでVVFケーブルが直に接続されているのでしょう、この場合はセンサーライトと壁の間に防水BOXを取り付けて電源を分岐してコンセントを作り防犯カメラのACアダプターを接続して防水BOXにセンサーライトを取り付け、防犯カメラを左右どちらかに設置する事になるでしょう。
 以上の事から、防水ボックスは通常の物より丈夫で防水特化した物となり、少しの電材を揃える必要があります

タカチ電機工業 BCAS型防水・防塵プルボックス BCAS151507G

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日動電工 プルボックス(防水カブセ)(グレー) PB151510KGHW

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の中から、15 x 15 x 7.5 cmサイズの「タカチ電機工業 BCAS型防水・防塵プルボックス BCAS151507G」を選択しました。
 画像のセンサーライトは直径14㎝重量1.6Kgと今時としては大きく重い物ですが、新築時からあり生活に馴染んでしまった物ですから要請されない限り勝手に取り外したり軽量の物に交換する事は出来ません、再使用しますが大きさと重さ環境に対応する物が必要になりますので防水パッキンが仕込んであり本体の肉厚があるBCAS151507Gを選びました、もしコンセントとACアダプタを納めるだけなら未来工業のアウトレットボックスを選択しただろうと思います。
 壁面が凸凹しているのでBCAS151507Gをそのまま壁面に取り付けると壁面から雨水が浸入する可能性があるので、防水パッキンが必要になります。 壁面の凸凹に合わせて適切な厚みの製品を選びます「3M スコッチ すき間ふさぎ防水テープ 9mm厚 x 25mm幅 x 2m EN-79」を選択し、防水ボックス裏から配電ケーブルが通る穴を取り囲むよう2重に張り付けます。
 壁面と防水BOXの取付ネジは「マーベル 電工ビス 照明取付用 全ネジタイプ 直径4×30mm 1」を使用します、ネジ径4頭が9ミリと電工ボックスに都合が良くサイディングが20㎜程度の厚みなのでこのチョイスです、壁面がコンクリートならアンカーネジで、サイディング壁材が薄い場合はボードアンカーを利用します。
 ネジを購入したらパッケージにネジ穴径が指定されています、それに合わせたドリル歯を購入します。(電動ドリルはビットを、電動ドライバーは六角ビットを) センサーライトの型番から、配電にはVVFケーブルが使われている事が判ったので分岐する為の電材
ニチフ 差込形コネクタ QL3 10個

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を使用します。
 VVFが配線できるコンセントが必要なので
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 一番安い「東芝ライテック 角形コンセント DC1121(W)」を選択しました、無線LANコンバーターの利用を考慮するなら3口くらいのコンセントを選んだ方が良いかも知れません。
 輪作りすればVVFをバイパスできてクイックロックを省く事もできますが、高所で細かい作業をしたくないのでクリックロックを使います。(簡単で確実ですし)
 配線を延長するのに20㎝程度VVFケーブルが必要になります。
ELPA VVFケーブル 1.6mm^2*2芯 5m VA-5AH

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 私は、電工試験の残りを使いました、20㎝程度なのでホームセンターの切り売りの方がお得です。

 サイディング壁材に穴を開けるに電動ドリルが必要です。

リョービ(RYOBI) ドライバードリル CDD-1020 645801A

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 もしコードレスドライバーを持っている方は、六角ドリルビットを購入します。
 一般のサイディング壁材ならコンクリートドリルビットで穴あけできますが、硬質で厚いサイディング壁材やコンクリートの場合は振動ドリルが必要になります。(作業前に目立たない場所で細いドリルで穴あけ可能か確認する事をお勧めします)
高儀 EARTH MAN AC100V 振動ドリル DR-110V

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 コンクリートは固くドリルビットを振動させコンクリートを微細に砕きながらでないと穴が空きません、道路工事のコンクリートブレーカーの小型版だと思ってください。
 電動ドリルを購入したので、防水BOXに穴を開けるコーンドリルビットを購入します。
 防犯カメラからの配線を通すには22㎜必須です、BOXはプラでさほど高品質でなくても穴が開くので4-22mm単品の安い物で良いかと思います、ホールソーがある方はそれを使ってください。
 取付場所が高所なら脚立か梯子が必要になります。
アルインコ(ALINCO) アルミ製はしご兼用脚立 MR120W

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 あとドライバーやペンチ、ニッパー、軍手、など必要ですが、これらはダイソーやセリアで買えば安上がりです。
 以上で必要な材料と工具が揃いました。

◆設置作業前
 設置作業前日までに、防水ボックスと防犯カメラ全ての取付面を紙へ写し取り穴あけ位置を正確に記入しておきます、高所作業では手元が狂いやすく足場が良いとも限りませんわずか数分の作業ですが作業効率と正確性が飛躍的に向上する大切な作業です。
 防水ボックスにコンセント、VVF、クイックロック、ACアダプタを納め無理なく蓋が閉まるか確認してから、コンセント、VVFケーブルを仮接続しておきます。
 配線を引き込むと通し穴をコーンドリルで空けます、防水カメラの場合「防水有線LANコネクタ」の直径が22mmありますのでソコソコ大きな穴を開ける事になります、防水ボックスの中には上下が決まっている物がありますから注意が必要です、ノック有アウトレットボックを購入した場合はノックを外します。
 上記作業は当日その場で作業しても良いですが、雑然とした現場でのうっかりミスは極力避けたいので前日までに行います、ただし扉タイプとか設置位置の正確な指示が無い場合には、左右どちらでも直ぐに穴あけできるようにマスキングテープをボックスに張り付けてどちらでもすぐにコーンドリルで穴あけ出来る様に、適切位置をマーキングのみしておきます。

◆設置作業前
 取付作業日は、天気予報を確認して雷雨や積雪の日は避ける様にしています。
 センサーライトやダミーカメラがあれば取外し、事前に作成した取付面を写し取った紙を壁面にマスキングテープやセロテープで張り付け傾いていないか十分に確認してからドリルでネジ穴を空けて行きます。
 穴位置が正確ならズレの心配はないので防水ボックスをネジ止めします、壁面のサイディング材の凸凹により防水ボックスが微妙に変形する事がありますが蓋が閉じられない程変形していないなら大丈夫です(蓋が閉じられない程変形してしまうならワッシャーを重ねて4点が垂直になるように調整します)防水ボックスの取り付けが終わったら、VVFケーブルをクイックロックに接続し、ACアダプターを取り付け、防犯カメラを取り付け、防犯カメラのケーブルを防水ボックスに引き込み、ふたを閉めて、センサーライトにVVFケーブルを配線して… 黙々と作業を行います、事前準備をしっかりしておけば取付作業自体は1時間程で完了します。

 取付が完了しました。
Panasonic製のセンサーライトの代わりに防犯カメラを取り付けていたら配線の露出なくもっとスマートに仕上がるのですが、まあ仕方ありません。
 センサーライトと防犯カメラを面一にしていないのは、1枚のサイディング材に過重が集中する事を避けたいのと防犯カメラが首振りPTカメラのK2-PT200USA-A1なので真横だと死角が出来たりセンサーライトの光を撮影する事になるので、センサーライトの下方向に逃がしています、見栄えはスッキリしませんが運用上の利点を取ってこの配置になりました。
 夜間人が近づくとライトが点灯して明るさが変化しますのでK2-PT200USA-A1の検知感度を最低にしても確実に検知し誤認率は極めて低くセンサーライトとのペアは利点があり、K2-PT200USA-A1は以外に赤外線白黒→カラーへの切り替えが早いので組み合わせも悪くありません。
 取付時に防水ボックスが強固に固定されている事は確認しましたが、センサーライトの飛び出し量が20cm程度あり風による微細な振動が2か所の取付基部に集中して亀裂破断が発生しますから、防水ボックス蓋の裏側には補強の薄鋼板を取り付けて負荷が分散する様に工夫しています、去年9月の台風21号レベルの暴風台風でもサイディング壁ごと剥がれ落ちるなんて事が無い限り耐えられるでしょう。
 防水ボックスへ防犯カメラケーブルの引き込み穴は予想外の原因で雨水がボックス内に浸入した時に水抜き穴が無いと冠水してしまうので樹脂ケーブルブッシングを取り付けているだけで密封はしていません「穴が開いていて大丈夫?」と思われるかもしれませんが電工工事で使用する引き込みボックス類は大抵穴が開いていますので問題ないでしょう、ただし海風など絶えず風の吹き上げに水が混じる地域はFP管とジョイントボックスで接続してケーブル経路を密封します。
 高額になりますが屋外配線モールを取り付けて配線を隠す事も可能です、ただセンサーライトも防犯カメラも永遠に動作するものではないので設備を更新した時は穴だらけで撤去した設備が水着跡の様になった見栄えの悪い壁が残りますからあまりお勧めしません。

◆事例2
 今回は自宅前にある月極駐車場の監視カメラも合わせてご依頼頂きました。
 依頼主の駐車場は去年末に契約者が車上荒らしに遭われたらしく以前も同様の被害があり、近隣も空巣が度々発生しているとの事でした。
 犯罪件数が低い地域では無いのですが、下見でお邪魔した際に隣家を見渡しましたが目視できる限り防犯カメラを設置している邸宅は見受けられず、大きな邸宅が多い区域ですが駅や商業施設からは離れている為か若干防犯意識か低いと感じました。
 6車線もある幹線道路も隣接している立地では、都心や他府県からの越境は容易で危険度は都心とほぼ変わりません。
 依頼内容から、駐車場の全景を見通せる場所でありつつ生活の邪魔にならない場所で、取付けが簡単な場所(故障しても簡単に代用品に取り換える事ができる)が良いので。
 設置予定場所は二階のベランダのガラリ近くで了承して頂きました、付近には屋外コンセントが無いので屋内から屋外に配線を引き出す必要がありますが、ガラリは10㎝程の穴が屋内まで貫通しておりプラ製のバクマ工業 角型レジスターに繋がっていますから、壁に穴を開ける必要もなくケーブル1本程度なら簡単な加工だけで屋外まで引き出せるでしょう。

 設置の工程に関しては事例1とほぼ同じ工具と手順で行いました。

 設置完了の画像はこうなります。
 カメラはDC-0172Wの筐体に3K解像度のIN-IPCシリーズのインテリジェントカメラモジュールを取り付けた、試作カメラを設置させて頂きました。
 地域の環境から赤外線ギラギラの威嚇の強いモデルを避ける必要がありましから、夜間監視は赤外線に頼れないのでスターライトCMOSが必要となりできるだけ高解像度を希望されたので、要件に合う物がSONY IMX323 スターライトCMOSを搭載しているインテリジェントカメラモジュールしかなかった為です。
 元々「駐車場のオーナー様に売り込みたい」と入荷したモデルでしたから渡りに船とも言えるのですが、DC-0172Wの筐体が小さくサイズが大きいインテリジェントカメラモジュールを押し込むのはかなり苦労しました、高価なカメラモジュールを「リューターで削る」なんてあまりしたくありません。

 センサーライトが無く100Vを扱わないので設置作業は事例1より簡単なハズだったのですが、ステンレス製ガラリ(水上金属 ワールド ステンレス フードガラリ WDFDT-100)が分解不可能な構造で中から外は見えているのに虫止めの金属網一枚の為に手出しできず、ガラリに穴を開けるにもステンだけに難しく小一時間作業が止まりました、どうしようもないので金属網をはぎ取ってスリットからLANケーブルを出しました。(後日、直径100㎜のキッチン用すくい網を加工した物を設置しました、蜂が巣作りする事はありません)今回は制約が無いのでガラリと面一で設置して見栄え良くしました。
 屋外に引き出した配線は簡易POEケーブルを使っているのでLANケーブル1本のみ、ケーブルは屋内でACアダプタと無線LANコンバータに接続し5GHz でWifiルータに接続しています、有線LANポートが2部屋向こうしかなく予算的に配線工事は不可能なので仕方ありません、5GHz Wifiは遠距離に届き難い特性がありますので今は隣家との混線は発生していませんが、恐らく数年後は向こう三軒両隣が5GHz Wifiになるでしょうからその時は新しいWifi規格のコンバーターに交換する必要があります。
 小さな筐体に収めたので不安がありましたが動作に問題なく、SONY IMX323 スターライトCMOSの暗視撮影能力は良好で肉眼では街灯周辺が微かに見える程度の明るさでも左画像の様に鮮明に描写します、深夜2:00でこのレベルですから、人数、服装、背丈、性別、大まかな年齢程度は判別できるでしょう。
 シッカリとした防犯カメラを完備した事をアピールすれば契約者の方に喜ばれると思います。
 通りの道路からカメラを見上げてもぼんやり赤いLEDが見える程度で威圧的ではありませんが下心ある人物にはハッキリとした警告になります、実用ではスターライトカメラに赤外線LEDは必要ありませんが残しておいて正解でした。

 以上が事例2で使用した資材と邸宅で使用していた建材です。

oosaka-bouhan

防犯ツールのインプレと販売をしています。 得意分野はネットワーク防犯カメラなのでカメラ多めです。

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