ソーラー充電ネットワークカメラの解説します。
ソーラーカメラについて立て続けにコメントが寄せられたので、ソーラー充電式ネットワークカメラが通常の常時通電式のネットワークカメラと何が違うのか?どの様な仕組みで動作しているのか解説します。
左画像が極めてベーシックなソーラー充電式ネットワークカメラです、インターネットへの接続はWifi接続や4Gや5GのLTE回線のワイヤレスで行いソーラーパネルで内蔵のリチウムイオンバッテリーに充電します、ワイヤレス接続可能なら完全ケーブルレスで運用でき資材置き場や農場、牧畜、空き家など電源供給が不可能な場所で唯一運用できるネットワークカメラです。
ただし、ソーラーパネルの発電量とバッテリーでネットワークカメラを24時間365日フル稼働させる事は不可能なので、PIR(人感/赤外線センサー)で人間(又は移動する動物)を検知した数分間のみ動作
「検知 → 起動 → 撮影開始 → Wifi/4G5G通信開始 → 検知通知発信 → 検地消失 → 録画終了 → Wifi/4G5G通信終了 → スリープ節電モードに移行(Wifi受信・検知待機)」
というシーケンスを繰り返します(パソコンやスマホで言う所の「スリープ」で電力消費を抑えます)
また、スマホアプリからアクセスでも動作し
「Wifi受信 → 起動 → Wifi/4G5G通信開始 → 映像送信開始 → Wifi/4G5G通信終了 → スリープ節電モードに移行」
となります、この間にリアルタイム映像だけでなく検知動画などを見る事も出来ます。
以上の事からソーラー充電式ネットワークカメラは「検知」と「Wifi受信」の時のみ動作するパートタイムのカメラであり24時間映像を録画する事はできません、PIR(人感/赤外線センサー)が検知しないと録画しませんから、
「低速で辺りを物色する自動車」(赤外線は薄紙一枚隔てると感知できない)
「真夏の舗装道路に立つ人物」(アスファルトが検知基準の36度(人間の体温)と同じか超えている為に検知できない)
「冬季に厚着した人物」
など、PIRは強く環境に影響されるセンサーなので確実性・信頼性に欠ける所があり、仕組み的に検知前の映像は録画できない為に映像証拠として弱く(例:衝突中~後しか撮れてないドライブレコーダー)「鉄壁な防犯監視」「正確な検知」「証明性の高い映像」を行う事が難しいネットワークカメラです。
また、運用面でも通常のネットワークカメラを違いスマホアプリからソーラーカメラへアクセスには、アプリ経由でサーバーからソーラーカメラ専用の起動プロトコル通信を行っている様で、
「カメラ(一定間隔) → サーバー → カメラ」(を繰り返しカメラのサーバーが通信先を記憶)
「スマホアプリー → サーバー → カメラ → サーバー → スマホアプリー」
のプロセスでアクセスしているらしく、サーバーはスマホアプリからのアクセスに限定してソーラーカメラと通信する為に
「スマホアプリ以外のWindowsソフト(VMSやP2Pなど)のローカルモードは仕組み的にアクセスできない」
「スマホアプリと同じIDとパスワードでクラウドログインするWindows / Macソフトでもサーバーがスマホアプリからのアクセスのみに限定している為にデバイス一覧に表示はされるが映像は表示はしない(できない)」
また、Windows / Macソフトで使えないので当然ですがNVRレコーダーにも登録できませんしONVIFプロトコルもサポートしていません、サブスクリプション契約をすれば可能になるカメラもあるかもしれませんが年単位のコストを払うなら10インチ程度のタブレットをソーラー充電カメラ専用の末端にした方が安く済むと思います。
一部の古いバッテリーカメラは現行とは仕組みが違い、Windows / Macソフトでアクセスできるたモデルがあったらしいのですがすでに入手は困難ですから基本的にソーラー充電カメラは「スマホ・タブレットアプリ以外では使用できない」「Windows / Macソフトは登録できても映像は映らない」とお考え下さい。
◆新しいタイプのソーラー充電カメラ
先ほど、ソーラー充電カメラは24時間録画できないと書きましたが、最新モデルのソーラー充電ネットワークカメラに「AOV」( Always On Video) 24時間常時録画対応充電ネットワークカメラが登場しました。
ただし、待機モードの録画は低画質・低フレームとなり、検知はPIRセンサーではなく通常カメラと同じ動体・人体検知らしいのでPIR特有の検知の粗雑さは解消されるかもしれませんが、バッテリーに関する問題とアクセスまでの延滞、Windows / Macソフトでアクセスできるが不明な点は変わりませんから実用的な使い辛さは変わりません。
私個人は、ソーラー充電カメラはAlexaやGoogle Homeなどモニター付きAIスピーカー専用で利用するのが良いと思います、AIスピーガーに呼び掛けてカメラ映像を確認できれば家族全員で便利に使えますし、詳しい方ならシーンマクロで特定時間・特定条件で映像を映したり、カメラ検知をトリガーにして室内のライトを点けたりなど、スマートホームデバイスとして使うのが最良かと思います、やはり防犯は常時通電のカメラで構築するのが合理的だと思います。
ソーラー充電カメラが「絶対ダメ」と言っている訳ではありません、5千円を切る安価なモデルも販売され購入を検討する人も増えているのに、販売側は「Windows / Macソフト」の対応を意図的なのかそうでないのか知りませんが明確に明記せず販売しており予備知識が無い人は「アプリが使えるなら当然使える」と思い込んで購入し「なぜ使えない」となっている方がおられるのでこの記事を作成しました。
最近は、内容に少しでも批判的な文面を見つけたら業者か販売の方なのかスプーフィングやTor経由で妙なコメントする人が来るんですよね、コメントは認証制にしてるから良いんだけど現実もネットも確実に治安は悪化していますね。