押入れ3Dプリンタ Tronxy X3A Z軸ガイド製作

 Tronxy X3A 3Dプリンタは、当店販売カメラのマグネット台座製作などに使用しています。
 自動レベリング装置(高さを測る機械)が付いており、最大造形サイズ220x220x300mmとこのクラスではコストパフォーマンスが良い3Dプリンターです。
 購入した当時は組み上がり動作するだけで感動したのですが、製作機材として使う様になるとコスト削減の為に必要なガイドや強化構造が省略されている事に気付きます、組み立て直後は問題ありませんが長期間動作させていると各部にストレスが掛かりネジが緩み平衡がズレ始め元から高くない精度が更に低下します。
 今回は、最も重量があり移動量も多いプリントヘッド部を支えるZ軸辺りのネジが手で回せる程に緩んでしまったので、その根本対策としてZ軸ガイドを制作しました。

 一般的な3Dプリンターは、左右がX軸、奥行きがY軸、上下がZ軸となります、左画像で分かる様にTronxy X3A 3DプリンタのZ軸はリードスクリューロッドを2つのステッピングモーターで回転させて上下させる構造になっておりX軸とプラスティックフィラメントを押し出す2つのステッピングモーターとプリントヘッドの重量を支えているのですがリードスクリューロッドを支えるのは底部のステッピングモーター取付部とX軸の基部のみでリードスクリューロッド上部はフリーとなっています。
 最大造形サイズが300mmなのでリードスクリューロッドの全長はそれより長くそのバランスを遠く離れた2つの支点で支えることになります、部品精度は高いのですが回転・移動させるクリアランスは必要ですから僅がですがグラグラします。
 X軸移動で伝わった振動がZ軸上部に拡大されて伝わり先端を抑える物がありませんから大きくなった振動は3Dプリンター全体に伝わりその結果各部のネジが緩み始めます。
 振動が伝わり一番影響を受けるのがX軸を固定している左画像の4つのM4ネジです、このネジが緩むとX軸が振動で動いたり傾いたりしてプリントヘッド横の自動レベリングが正確な距離を測定できなくなります。
 プリントベッドとベッドの距離は重要で0.1mmでも精度が狂うと製作物の仕上がりに影響しますからこのX軸を固定する4つのM4ネジに影響を与えるリードスクリューロッドの振動を回転を妨げない方法で防止しないといけません。

 リードスクリューロッドの回転に影響を与えない方法で固定する為に688Zベアリングを使用します、リードスクリューロッドの直径が8㎜でフレーム幅が20㎜なので外径16㎜内径8㎜の688Zが収まりが良いだけで内径が8㎜なら608Z628Zでも構いません。
 CADでベアリングを納めるフランジを適当に設計します、強度が必要な物でなくフレーム幅20㎜からはみ出ない事だけ気を付けています。
 3Dプリンターの付属品で必要数より多く梱包されていたナットを使用して固定します。
 Z軸ガイドを装着するだけならZ軸をズラすだけで装着できますが、いろいろネジが緩んでいますのでX軸とZ軸の部分を一旦全て取り外し増し締めした後にZ軸ガイドを組み込んで元に戻します。

 完成したのが左画像です、部品を取り外したのでプリントヘッドとベッドの隙間調整と長年歪んで動作していた為かZ軸のステッピングモーターとリードスクリューロッドの連結部品が斜めになっており回転させると上部がぶれてZ軸ガイドのベスト位置を見定めるのがが大変でした。
 メタルラックがビリビリうるさかったのがZ軸ガイド取り付け後は大分マシになりました、振動も抑えられX軸の移動もスムーズです。

 完全装備のリファレンスモデルから「直ちに影響ない」部品を取り外してコスト削減したのでしょうが縦に長い回転する棒を制御しないのはダメでしょう、通常はピローブロックベアリングで回転を制御するのが基本だと思います、業者仕入なら100円程度で調達できる安い部品なんだから省略しないで欲しかった。
 使えないフィラメントホルダーやmicro-SDカードリーダーなんてオマケせずにその分部品に回してくれたら良いのですが気が利いていません。
 

oosaka-bouhan

防犯ツールのインプレと販売をしています。 得意分野はネットワーク防犯カメラなのでカメラ多めです。

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