IN-IPCシリーズ 高度動作検知インテリジェット ネットワークカメラ

  旧来の動作検知機能に高度分析能力を付加した高度動作検知インテリジェントタイプネットワークカメラをご紹介します。
 一般的な動作検知の検知方法は前後フレームの映像差分が「大き(多)ければON検知」「小さ(少な)けばOFF未検知」するスイッチでしかありません。
 従来方式のカメラに守られた高価な壺を盗み出しそうと考えた場合、動作検知感度以下でジワリジワリとゆっくり移動させればカメラに検知されず盗み出す事が可能です。(実行は難しいですが)
 また監視カメラの検知結果を何かの参考データとしたいとしても、映像差分ですから物体移動でも光の明暗でも片っ端から検知してしまいその結果を経営予想や集客予想の参考に使ってしまえば悲惨な結果になるでしょう、正確なデータをして使うなら膨大な検知結果の中から必要なデータを精査するとても面倒な確認作業が必要となります。

 実際の監視業務においては入室より退室つまり対象の動きに方向性を持たせたかったり、対象物の移動を重視したかったりと一定のルールを定めたい事が多々あります。
 そんな時は、映像の内容から移動体また監視対象を認識しその動きに特定のルールを定めてアラームをON・OFFするインテリジェントアルゴリズムを利用します、空港で導入している「サーモグラフィーチェック」や「顔認識」などがそれに当たります。
 アルゴリズムとはルールを定めたプログラムで、「サーモグラフィーチェック」の場合は赤外線サーモグラフィカメラで撮影しその映像を統合映像監視ソフトウエアで人間を認識、体温分布を計測、検知アラームのON・OFFを判断しています、このように従来のインテリジェントカメラは外部に分析装置が必要なシステムで導入はもちろん運用にも膨大なコスト・高度なスキルが必須となり企業や団体しか導入は不可能でした。

 そこで安価でカメラ単体で実行できる簡素なインテリジェントアルゴリズムを組み込んだインテリジェット ネットワークカメラがIN-IPCシリーズ です。
 カメラ単体に搭載する為に、IN-IPCシリーズ のアルゴリズムは、展示品などの移動・消失を監視検知する「アイテムケア」と監視エリアへの侵入・消失を監視検知する「駐車場」の2つが組み込まれています、外部装置も必要なく高額な有料分析サービスも必要ありません、従来コストから考えれば非常にリーズナブルです。
 IN-IPCシリーズは、AnySeeアプリ対応のXM社ライセンス承認カメラでハードウェアに高解像度モジュール用Hisilicon Hi3516の改良チップ Hi3516 CV300を採用し通常の動作検知と共にインテリジェントアルゴリズムを組み込んでいます。
 高度な分析を行うには高い解像度が必要ですから、解像度は1536Pで3K以上の高解像度モデルとなり全モデルSONY IMX低照度スターライトCMOSか同ランクのスターライト低照度CMOSを搭載しています。

 IN-IPCシリーズ はアラーム機能に「知的な分析」アイコンが追加されインテリジェント機能は「知的な分析」で管理しますプログラムやスクリプトを組む必要は無く定型値に従う事になりますが、通常のカメラを運用出来ているなら数日の習熟期間で運用を開始できます。
 設定方法は簡単で、
アルゴリズム:
 ペリメーター警告
 アイテムケア
のどちらか選択します。
 ルールセット画面で感度やターゲットサイズの大小を選択し、アラート(検知)時の動作を指定します。
座礁したアイテム(監視対象と交差また接触した)
アイテム盗まれた(監視対象が無くなった)
違法駐車(監視エリアに何者かが侵入した)
 を選び最後にルール設定をクリックします。
通常の動作検知エリア表示から格子を取り除いたルール作成ダイアログが表示されます。
 監視エリアに緑の枠が現れ、クリックすると青い枠に変わり枠を監視エリアに合わせて調整します、監視実行中は黄色い枠になります。
 方向を禁止はペリメータ(ペリメータは英国風、米風ならエリア)から「出るのを禁止」「入るのを禁止」「両方禁止」が選択でき先ほどの枠に矢印が表示されます。

 緑の枠は6種あり、点と線で移動できますからある程度複雑な形状のエリアを作成する事が可能です。

 インテリジェント監視実行中はスマホやデジカメの顔認識の時に現れる動き回るターゲット枠と酷似したフレーム枠が表示され物体がフレームに入ると枠が移動体にロックされ動きに合わせ移動します、移動体がインテリジェントルールに合致するとアラームがONになります。

 インテリジェントルール―がアイテムケアの場合は、アイテムがフレーム枠から無くなるとアラームがONになります。

 枠で囲む以外にコードン(英語Trip wire)もしていします、移動体のインテリジェントルールに方向性を持たせる事ができます、私有地への進入やペットの脱走監視に使うのだと思います。

 通常の動作検知に比べ遥かにエレガントな機能なのですが、インテリジェントルール枠が小さいと(画面に占める割合が小さい=解像度が小さい)と検知率がかなり悪くなってしまいます、実用的に使うならインテリジェントルール枠が画面の1/6程度にした方が良いでしょう、また広くても検知しずらい角度だったりカメラの前に木や旗があると誤検知・未検知も増えますからカメラの設置場所と監視対象の位置関係を再考する事も必要になるかもしれません、現在のモデルでは複数のインテリジェントルールを適応できません1対象に1台のカメラが必要になります。
 XM社の広報資料では複数エリアを指定しているスナップショットがありましたのでリリースが予定されている8Kモデルは数個のインテリジェントルールを適応できるようになるのかもしれません。

 IN-IPCシリーズは入荷を検討している状態です、3K4K高解像度のスターライトカメラとの価格差は10ドル以内でインテリジェント機能を付加価値とすればそれなりにインパクトがあり早く進めたいのですが、取り扱いベンダーまだ少なく適当なパーツとの組み合わせで商品化されており、消費電力・高解像度を考慮したベストマッチな完成品を販売しているベンダーが見つからず入荷に踏み切れない状態です。

IN-IPCシリーズのCMS設定画面をキャプチャしました。

 

oosaka-bouhan

防犯ツールのインプレと販売をしています。 得意分野はネットワーク防犯カメラなのでカメラ多めです。

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2件のフィードバック

  1. 暇な肉屋 より:

    これはすごいですね。発売が待ち遠しいです。

    防水のパノラマで1536Pのカメラは販売する予定はありませんか?
    Yahoo!で売り切れになっているので残念です。

    • oosaka-bouhan より:

      ありがとうございます。
       インテリジェントルールがハッキリ把握できていない事と、新型防犯カメラとしてインパクトあるパッケージの商品が無いので今しばらくお待ち願う事になるかと思います。
       1536Pの高解像度パノラマカメラは他アプリなら既にあるのですが、AnySee対応カメラの場合XM社専売となり高額な上にラインナップが少なく防水モデルがありません、カメラモジュールを販売してくれたらボディスワップでカスタム品を作る事が出来るんですが…。
       

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