INDB-A10 乾電池Wifiインターネットドアフォン
INDB-A10は、カメラ付きドアフォンにインターネット接続機能を追加して、スマホ・タブレットで応対ができる、インターネットドアフォンです。
インターネットドアフォン(日本ではインターフォン、海外では”ドア ベル”)は、従来の親機モニタ・玄関子機で完結したシステムをWifiでリンクし玄関子機が親機となりスマホ・タブレットを子機として自宅でも勤務先でも訪問者に対応できるようになるインターフォンです。
INDB-A10はXM社のカメラと同じiCSee アプリで操作が可能です、既にXM社のカメラを使っている方なら別のインターネットドアフォンアプリをインストールする必要もありません、サイズも小さく単三電池3本で駆動しWifi接続出来るので配線工事は不要です、機能は内臓microSDカードへ訪問者撮影、遠隔対応だけの基本機能しかありませんが、電源を気にせずお手軽設置出来るので、イベント期間のプレハブ事務所やセキュリティゲート、個人医院や店舗の外出中の連絡手段、改装・増築工事中の仮設インターフォンなど一時設置のシチュエーションで重宝すると思います。
◆ご使用の必須条件
①Wifi回線がある事(インターネット回線が尚良し)。
②自宅ルーターのIDとパスワードを知っている事。
③スマートフォンを持っている。
◆スマホでの設定方法→iCSee google play と Appleストアで配布
◆INDB-A10ネットワークカメラレビュー
海外ではIOTが普及していて家庭の隅々までIOT化しているイメージがありますが、そこそこ収入のある家庭でも「防犯カメラ」「照明」「玄関鍵・ガレージ扉」の順で個人がDIY可能な範囲しか普及していません、IOT機器同士の互換性がなく個別アプリ・ソフト・サービスが必要になる現状のIOT機器では煩雑すぎて「面倒」という人間臭い物が普及を妨げている様です、それでも日本よりは関心が高くインターネットドアフォンはネットワークカメラに次いで人気のIOT機器です、訪問者と応答するだけのベーシックな物から「電子鍵のソレノイド駆動回路」「サイレン作動回路」「各種センサー連動機能」など多機能モデルまで色々なモデルが発売されています。
INDB-A10は、XM社が「インターネットドアフォンのカメラモジュールを発売した」とベンダーからアナウンスがあり「搭載モデルが出たらサンプルが欲しい」と返事して7月末に届いた物です。
到着したINDB-A10の第一印象は「思ったより小さい」でした、インターネットドアフォンは高機能化が進み大型化しておりここまで小さい物は最近珍しいと思います、ただここまで小さいと既存のインターフォンと交換するとスペースが余ってしまうでしょう。
ワイヤレスモデルの中でも、乾電池3本は採用例が少なく他社モデルは18650リチウムイオン電池を採用している物が殆どです、18650リチウムイオン電池は高額で入手方法も限られ専用充電器も必要ですから入手性のみを考えるなら乾電池は悪くない選択なのですが、乾電池で駆動する為に省電力が徹底されており「呼び鈴ボタンを押された後通話やアクセスがなければ1~5分後(選択)で全機能停止(Deep Sleep)」となりスマホからのアクセスを受け付けません、常にINDB-A10からの一方的な動作なので防犯カメラの代わりとして使用する事は仕様的に不可能です。
INDB-A10の運用はiCSee Pro アプリで行います、一連の操作は
①呼び鈴が押されるースマホに通知が到着し”呼び出し画面”へ自動移行
②呼び出し画面で回答をタップ
③iCSee Pro アプリが起動
④マイクボタンを押して通話
⑤上記一連は撮影・録画されていますので、通常のカメラと同じく閲覧可能
⑥アクセス終了-指定時間経過後Deep Sleep
①呼び鈴が押されるー”呼び出し画面”でメッセージを見るをタップ
②通話記録画面
③映像を閲覧(家族とシェアしたり不審者なら映像を転送します)
④アクセス終了-指定時間経過後Deep Sleep
インターネットドアフォンの運用で問題になる、呼び鈴が押されてからスマホ通知までのタイムラグはP2Pサーバーにそれなりに投資しているXM社カメラモジュールだけに瞬時~2秒以内で通知が届きます「アクセスしたら訪問者は去っていた」なんて事は無く実用レベルと言えます。
解像度は100万画素(720P)視野角は120度程度、動画は6フレームが初期値になります、防犯カメラのスペックとしては一般的で日本のインターフォン(320x240ドット)なら高性能なスペックです。
ドアフォンなら170度の視野角が欲しい所ですが曲面の大きい凸レンズが必要になりますからこの点は妥協したのでしょう。
「防犯カメラの代わりとして使用する事は仕様的に不可能」と書きましたが、CMS・VMSソフトやリモートサイトで映像を見たり音声を聞いたりする事は一応可能ですが設定作動時間が過ぎると問答無用でスリープされます、スリープ状態になると一切アクセスできませんから呼び鈴が押された数分間しか防犯カメラとして使えず実用性はありません。
電源の単三電池3本は入手性の面で良いのですが、動作テストでは初期設定と動作テストの数分で電池容量がみるみる減り半分程度になりました、ベンダーのカタログでは一日3回使用で12カ月持つとの事らしいですが条件に無理がありますし一般的な家庭なら1~2カ月と言う所でしょう。
頻繁に電池交換するには取外しを簡単にする必要があり手の届きにくい場所に設置する事もできませんから盗難や悪戯される確率は高くなります、入手性を考えると乾電池が正しいのは分かりますが運用的には高容量で繰り返して使える18650リチウムイオン電池と充電ジャックを付けた方が良かったのもしれません。
INDB-A10の「乾電池で簡単に使える」コンセプトは悪く無いのですが、常時設置のドアフォンと置き換えて運用するには不都合な点が多く実用的ではありません。
現状でINDB-A10を実用的に使えるロケーションを考えるとすれば「ボタンを押すだけで連絡が取れる」機能を生かして、従業員の配送や昼食時に無人となる店舗や商店の一時外出の連絡先(携帯電話番号を張り紙しても良いですど今のご時世…)離れて住む両親や幼すぎて携帯電話が使えない子供の連絡手段など限られた条件なら有効活用できるでしょう。
◆INDB-A10内部構造
カメラモジュールは特殊形状のオールインワン基盤、DSPはHI3518EV201で、OSはHuawei のIOT機器用LiteOSを搭載してるとの事です、共に低消費電力を意識した物です。
CMOSはSC2145Hは初見ですがSmartSensの省電力バージョンだと思います、低照度性能はカラー0.1Luxで赤外線LEDは装備されていません、夜間の訪問者を撮影したい場合は常備灯やセンサーライトと組み合わせる必要があります。
ベンダーのカタログにはOutdoor屋外の記述があるのですが積極的な防水構造をしておらず一般的なインターフォンの様な内部閉鎖構造にもなっていません、電池交換をする必要あるINDB-A10ではシーラントで防水処理して水の侵入を防ぐ事もできませんし、スイッチの隙間やレンズその他のパーツの隙間から向こうが見えますし、裏ブタにもパッキン類はありません、ベンダーの誤表記でしょう、従ってINDB-A10は直接雨に晒される環境では使用できません、屋内か軒下から距離のある玄関や踊り場などで使用する事になると思います。
INDB-A10はコンセプト的は良いのですが、ドアフォンとしての運用が難しく実用性も低くごく限られた条件でしか使えません、バッテリー内蔵式なら運用性が良くなりますし呼び鈴同調の人感センサーがあれば防犯カメラとして使えるのですが、元が面白いだけに残念と思える商品です。
INDB-A10のiCSee設定画面をキャプチャしました。説明が欲しい所がありましたらご質問ください。
◆INDB-A10詳細スペック
センサー | CMOS 1.0mp (720P) |
ビデオ圧縮 |
h.264 h.264+ |
レンズ |
2.8㎜(120°) |
ネットワーク | Wifi |
SDカード | サポート |
ONVIF | 無し |
電源 | 単三電池3本 |
本体サイズ | 69x73x30 mm |