防犯カメラは内か外か?モラルと割れ窓理論
最近は何か事件があれば、該当の防犯カメラ映像が各種メディアで使われるようになりました、一体どの様なルートで入手するのか分かりませんが、記録機材の確認も加工の検証もせずに一分一秒を争って垂れ流す適当さには感心します。
今や素人でもハイレベルな3DCGや合成技術を持つ人が居るのですから、なんらかの意図や金目当てでフェイク映像を掴まされたとしても責任問題にはならないでしょうか?警察の様に照会書もなく後で裁判沙汰になった場合にメディアは提供者を守ってくれるんでしょうか?。全く不思議な業界です。
防犯カメラの設置台数は年々増え犯罪防止や抑制に効果的である事は確かなのですが、この効果は1つのコミュニティ(家や会社、お店など)の「外」に対し有効であり、コミュニティの「内」(家族、社員、従業員など)の人間がモラルを欠いた場合どうなるか?。
内と外?それが今回の話題です。
防犯カメラの映像消える 入所者暴行容疑で逮捕の女「男性を蹴った」 産経ニュース
記事の中に「消去」「約3週間前から事件翌日」の記述があるので、録画媒体は有線式のアナログカメラと長期録画ができるハードディスクで構成した内部完結型の防犯カメラシステムなのでしょう。(以前に相談をお受けした老人介護施設も改修前はこのタイプのシステムでした)
容疑者にどの様な動機があったのか判りませんが、事件は計画的であり短絡的思考の方では無いのだろうと思います「注意する同僚はいない」「証拠になる映像は消去できる」この環境が箍(たが)を外し徐々に行動がエスカレートしたのでしょう。
この施設の経営者に直接の罪はありませんが、彼らにとって最後の箍だった「防犯カメラの映像」を簡単に削除できる様にしていた事は致命的な落ち度であり内部不正に対する監査構造を何も構築していなかった事になります。
もし防犯カメラの映像を本部で一括録画するNVR(ネットワークビデオレコーダー)式であったなら、ここまで事態が悪化する前にもっと穏やかに収める事もできたのではないかと思えてなりません。
経営者に罪はなくても「従業員がやった事」で済まされないのは当然で、報道された後に経営が滞った企業・店舗はは少なくありません「会社名又はお店の名前+事件又は評判」で簡単に検索できるデジタル社会での信用回復は並大抵の事ではありません、組織内部の変革は経営者にとって簡単ではない事は承知しておりますが「無能な味方は組織にとって害悪」でしかありません。
今一度コンプライアンスを徹底される事をお勧め致します。