CCTVアナログBNCケーブルで運用できるPTZ回転式カメラ

 今や市街地において防犯カメラが存在しない場所は皆無と言って良く、今後も更に数を増やしています、現在普及している防犯カメラには大まかに2種類あり当社で販売している様なネットワークカメラ(デジタルカメラ/IPカメラ)と一世代前の有線BNCケーブルで接続されたアナログ防犯カメラです。
 ネットワークカメラは平成後期に存在しましたが解像度もアナログカメラと同等なのに動作安定性が低く取り扱いにネットワーク知識が必要で驚く位に高額(Panasonicの一番安いモデルでも10万円以上)なのでネットワークインフラ事業者以外は好事家のアイテムでしかなく、ネットワークに詳しくない施工業者に注文なく発注すれば令和に入ってもアナログカメラを設置していましたから、現在(日本国内で)稼働している防犯カメラの多くはアナログカメラが大半を占めます。

 アナログ防犯カメラの基本構造はCMOS映像素子が撮影したアナログ映像を2芯のBNCケーブル(テレビアンテナケーブルと同じ物)で送信して、初期は特殊な10倍速VHSビデオレコーダーに録画する文字通りアナログで始まり、2000年頃にエンコードボードを内蔵したDVRレコーダーが登場しアナログ映像をAVI  / XVIなどの動画形式へエンコードしてHDDに録画するDVRレコーダー(Digital Video Recorder)に進化しました、この仕組みはDVRレコーダー側に過度な処理が必要で最大接続可能カメラ台数+最大エンコード解像度が増えるに従い高価格化(4K対応DVRレコーダーはNVRレコーダーの3倍ほど高価)する欠点があります。
 アナログ防犯カメラ側も初期は640x360解像度から現在主流の1080P(200万画素)最大4K(800万画素)まで高性能・高解像度に進化する過程で各メーカーの独自仕様が生まれ AHD(Analog High Definition)TVI(High Definition Transport Video Interface)CVI(Composite Video Interface) など細分化し非常に面倒くさい時期もありましたが、直ぐに複数仕様対応のDVRレコーダーが発売され(日本を除く)互換性も高くなり、2010年頃に急速に普及したネットワークカメラにも対応したアナログ/ネットワーク両対応のハイブリッドレコーダーが販売され現在に至ります。
 カメラ映像を録画するだけでならアナログカメラで良いのですが、視界を広げたくてPTZ回転式カメラに交換したくてもアナログカメラの場合は回転信号を伝えるRS485ケーブルを新たに追加設置する必要があり、それならLANケーブルを敷設してネットワークカメラ化した方が費用面で有益(アナログPTZカメラの一台の値段でPOEネットワーク+NVRレコーダーが買える)です。
 店舗オーナーや防犯管理者など特定の人には非常に悩ましい問題だったのですが、今年に入ってBNCケーブルの映像信号にCoaxialコントロールプロトコル通信信号を紛れ込ませPTZ回転を可能にするアナログ接続カメラが安価で提供されるようになりました(海外では少し以前から発売されていたが高額だった)大型店舗や工場、集合住宅などの警備責任者の方におススメします。

◆K2-XMA20AHD PTZ回転可能アナログカメラ

 K2-XMA20AHDの筐体はネットワークカメラをそのまま利用しており底面にはシリコンの蓋までそのまま付いています、当然ですがアナログカメラなのでSDカードもリセットボタンをありません覗き込めんでもカメラモジュールがあるだけです。
 PTZ回転はネットワークカメラの様なリニアで無段階の回転ではなく、緩急で段階あるトリッキーな動きをします、おそらく20度くらいの間隔で回転角度が設定されているのだと思います、内蔵されているモーターはネットワークカメラと同じステッピングモーターが使われているんので仕様なのだと思い割れます、仕様的に何が何でも監視対象を真正面に捉えたい方にはお勧めできません。
 PT回転のポジション記憶は行えます、もし赤外線リモコンの1~9に位置を割り振る事も可能です、ただし定期パトロール機能は手元のDVRレコーダーでは実行不能でした。
 LEDは白色と赤外線が配置されていますが、設定でどちらの排他利用のみとなります「DVRレコーダー側のヒューマン検知に連動しているかも」と思いましたがダメでした。

 既存のアナログカメラ設備のカメラと付け替えるだけで使える点が唯一で最大の利点なので映像品質は旧式ネットワークカメラレベルの品質です(私感では8年前?)アナログカメラ側で使用環境に合わせてベストに設定したり、DVRレコーダー側に高性能なエンコード補正をすれば、もう少し映像品質が向上すると思われます。
 またアナログカメラ自体に検知機能は無く接続したDVRレコーダー側の検知機能に依存します、動体・人体、顔・車両検知対応DVRレコーダーに接続した場合は問題なく検知しました。

 販売に関してですが、手元にあるDVRレコーダーや設置させて頂いたお客様の下でテストした所、一部のXM社DVRレコーダーでも動作しないモデルがあり互換性が不明瞭で単体で発売する事ができません、従って当店で動作確認したDVRレコーダーとのセット販売となります。

 中古住宅や居抜の店舗・工場、事務所に備え付けの防犯カメラシステムの有線アナログカメラをなるべく安価にアップグレード可能です「次の改装工事までの繋ぎが欲しい」「もう少し視野を広げたい」「時間帯で監視位置を変えたい」方にお勧めします。
 稼働しているBNCケーブル アナログカメラの個体は多く防犯責任者の方には「なぜウチの防犯カメラに回転できるカメラが無いんだ!」と詳しくない上長に小言を言われた方も少なくないと思います、ぜひご検討ください。

oosaka-bouhan

防犯ツールのインプレと販売をしています。 得意分野はネットワーク防犯カメラなのでカメラ多めです。

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