屋外カメラの故障例はどの様なものですか?へお答えします。
2年程前に施工させて頂いたお客様から「5台のカメラの内1台だけ映像が映らなくなった」とご連絡を頂き急遽交換作業を致しました。
通常このブログでご紹介しているのはネットワークカメラなのですが、設置業務では有線ケーブルのアナログカメラも取り扱っており今回故障したのはAHDのアナログ配線720Pカメラです、このAHDと言う方式はAnalog High Definitionと言い既に登場から20年ほど経過した古い規格になります。
古い規格で枯れた技術なので拡張性は皆無ですが安定性だけは高く「物理的に壊れる」「劣化で壊れる」以外で壊れる事が無く今回もそのどちらかだろうと思ったのですが、全く要因が推察できない特異な例なので記事にします。
「壊れたら交換する」だけの業者も多いのですが、弊社では同じ要因で再発する事が無い様に要因を調べ「カメラ筐体の最適化」「設置配線の強化・最適化」「設置場所の再検討」などをご提示してから修理・交換作業を行う様にしており要因を絞り込めない状態で作業だけを行う事はしていません。
とは言っても通常防犯カメラの故障はアナログ・ネットワーク問わず「内部に雨水・結露など雨水が入った事による故障」が大半で「カメラの物理破損」「電源の経年劣化」「通電ラインの断線」「映像素子の日光劣化による白化」が少しなので、作業的には「どの様に雨水が入ったか」を探る事になります。
殆どの場合は設置環境を見たら一目瞭然なのですが、例を挙げるとすると… .
ABSプラスチック筐体は品質に左右されますが、早い物で1年程度で日光劣化により筐体が変形(縮む)して「ネジの締め付けトルクの緩み」が発生しネジ穴やパッキン周辺から内部に雨水が溜まりショートして故障します、時期的には夏場に多く大体雨が降った時・後に故障が発生します。(正面のガラス下部に白い水垢が見えたら危険)
金属筐体の場合は雨水の侵入は少ない反面結露のよるショートか内部腐食が多いです、時期的には冬場に良く発生し間欠動作させるカメラや室内設置のカメラで何度かお目にかかりました。(カメラ映像が妙に白みがかった感じになったら危険)
など「当然の帰結」による所が多く対策は「水の侵入ならコーキング剤モリモリで」「露結なら筐体を大きくして乾燥剤マシマシで」など予算に合わせて対処させて頂く訳なのですが、今回は全く要因が判らず困りました。
直接的な要因はショートである事は推察できるのですが、内部に水が浸入した跡がなくカメラボードだけが焼け焦げておりカメラ内部にも焼けた跡が残っています、12Vで発生するスパークとしては焼け焦げの範囲が広く100Vだと狭すぎます。
ココまで焼け焦げた場合は赤外線LEDボードまで影響が及ぶのが普通なのですが….
赤外線LEDボードば通電すれば正常に動作しました。
総括すると「同じ通電ライン上にある赤外線LEDボードに何の影響も与えずカメラボードだけ焼け焦げさせた」と摩訶不思議な現象が発生した事になります。
要因を探る為にDVRレコーダーで壊れる瞬間を確認したのですが「雨が降る午後で一瞬全カメラの映像が止まりこのカメラだけ復帰しなかった」から落雷か近くにある引込線からの漏電が疑わしいのですが、その場合は同じ電源ラインの隣カメラが無事な訳がありません。
繁華街近くのロケーションなので早く復帰させる必要があり何時までも原因を探る事も出来ないので、引込線から出来る限り離す程度の対策で同型AHDカメラに交換作業を行いましたが納得できる要因を絞り込む事が出来ずまた同じ様な故障にならないか不安が残ります。