ネットワークカメラに使われているレンズはF2.8mm~12mm程度の固定倍率タイプが多く使われています、一眼レフカメラではF値は絞り(光量)調整の数値ですが防犯カメラのレンズは広角に表す数値となっています(理由は知りません)。
レンズF数値は数が小さい方が視野角が広くなり、広い範囲を撮影できますが広い分だけ領域の解像度が落ちる事と樽型の歪みが発生します、逆に大きくなると望遠撮影気味となり撮影範囲が小さくなります。
また、レンズだけでなくCMOS映像素子のダイサイズが大きくなる(720P解像度のCMOSと4K解像度のCMOSでは2倍以上デカイ)と撮影範囲が大きくなり(同じレンズを使用すれば)結果的に広角となります、ただし防犯カメラのレンズは想定したCMOSのダイサイズに合わせた画像焦点距離で設計されていますから、レンズとCMOS映像素子がアンバランスだと映像端に黒い境界が写り込んだり周辺が歪んでしまいCMOS素子本来の性能を発揮する事が出来なくなります。
一般に出回っている監視カメラのほとんどのF3.6のレンズ(対象距離4m程度)が採用されています、デジカメやスマホでも撮影機材では「標準」とされている数値でレンズでとらえた映像の全てがピンボケしない(手前も背景も)黄金値で遠近オールマイティなレンズです。

| 数値 (mm) | 1.7(魚眼) | 2.8 | 3.6 | 4 | 6 | 8 | 12 | 16 |
| 視野角 (度) | 180 | 90 | 75.7 | 70 | 50 | 39 | 26 | 20 |
| 距離 (m) | 1 | 2 | 4 | 6 | 8 | 10 | 15 | 23 |
ただ、世界的にはオールマイティなF3.6レンズも、激狭の日本住宅事情では対象距離4mの3.6mmでは遠すぎて対応できない事も多く、その場合は可能であればF2.8のレンズを選択してください。
逆に3階以上の高所からの撮影や通りを挟んだ別宅や倉庫を望遠的に撮影したい時はF6~12程度を選択してください。
固定のF値レンズ以外に、手動でF値を変更するマニュアルフォーカスと電動で変更するオートフォーカスも存在します、レンズが大きくなり当然筐体も大きく高額になりますが撮影対象・場所が決まっていない時や季節で監視対象が変わる時は手動を、時間帯で遠近2か所に変化する時は電動のフォーカスカメラをお勧めします。
レンズのF値には関係しませんが、F値の視野角が変わるという事は=撮影範囲が広がる=光の量が増えるという事になりますから、撮影するCMOS素子の性能が低いと明るい場所に合わせて画面全体が暗くなる又はその逆が発生する事になります。
屋外カメラの場合では日光が写り込む事が多いですから、設置玉後は時間に合わせて角度を調整し一年間は季節に合わせて方向を調整する事をお勧めします、日光が写り込んだとしても即壊れる事はありませんが長期間日光が写り込むとレンズやCMOS素子の表面に薄くコーティングされている透明樹脂が劣化し映像の白化が早まる事になります。







